サンダーソニア

サンダーソニアってどんなお花? 南アフリカ原産のイヌサフラン科の球根植物です。 1851年に、この植物を発見した、初期のナタール入植者、 ジョン.サンダーソン氏にちなんで名づけられました。 詳しくは Sandersonia aurantiaca サンダーソニア属オーランティアカ 一属一種の原種です。 つややかでスマートな葉の間から、鮮やかなオレンジ色の袋状の可愛らしい花が咲き、 風に吹かれると、まるで軒先にぶら下げたランタンのように揺れ動きます。 華やかさ、かわいらしさと共に生き生きとした風情があり、 フラワーアレンジメントなどで広く愛されているお花です。   多花園のサンダーソニア物語 多花園でサンダーソニアを作り始めたのは、平成6年頃。 栽培の仕方も、球根の保存の仕方も分からず手探りの毎日でした。「サンダーソニア部会」を作り、長野県やニュージーランドにも視察に行きました。サンダーソニアは原産地(南アフリカ)では夏の花ですが、八丈島で春に球根を植えると、花が終わった後の球根の生育が悪いのです。 そのため、秋に球根を植え始め、冬から春にかけて花を収穫することにしました。 八丈島は暖かいので、冬でも無加温で栽培できます。 ようやっと、二万球まで増えた時のことです。曇っていたので、掘りたての球根をハウスの中に置いたまま、昼休憩に入っていたとき、いつの間にか顔を出した太陽に球根を焼かれてしまったのです。掘りたての柔らかい球根が赤く変色してしまった時のショックは今でも忘れることができません。冷蔵庫に保存しましたが、腐ってしまいました。 その後も、たくさんの実験を繰り返すうちに、球根がだんだん減っていき、最も減ってしまった時は、たったの3列。嫁には「もう、サンダーソニアはやめたら・・・」と言われ、これ以上減らすわけにはいかないと、実験をやめ、本気で取り組むうちに、少しずつ数が増えていき、今では、40列以上、五万本の花を出荷しています。 まだまだ、球根の腐敗も多いですし、大成功とは言えないと思っています。毎年、新しい課題、新しい発見があり、「来年はもっといい花をつくるぞ」と、日々奮闘しています。 (嫁からひと言。五人の子供を抱え、これから学費なども沢山かかるのに、いつまで難しい植物にかかりきりになっているのだろう、と困っていましたが、決して諦めなかった夫を、今では、心から尊敬しています。) 球根は、はじめはニュージーランドから輸入していましたが、種から育てるようになりました。 現在は、球根の輸入もできなくなり、日本国内の産地にとって、危機的な状況にあります。 視察に来られた千葉の農家の皆さんも、「二年続けて失敗もしないけど、二年続けて成功もしない、難しい花。」と、ご苦労されている様子で、球根の選別や冷蔵保存の様子などを熱心に見て行かれました。 サンダーソニアという花が幻にならないように、これからも夫婦、力を合わせてがんばります。 サンダリオ~サ 交配が好きな孝光は、サンダーソニアとグロリオーサを交配させ、種を取り、育種してみました。ちょっと変わったサンダーソニアがあちらこちらに混ざって咲いているのは、そのためです。 サンダーソニアの収穫体験ができます。 お花を20本収穫できます。ハウスの中でのんびり、まったり過ごしてください。 一時間 5500円 要予約。04996-2-4862